The Soltians' Salon

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visual media

ショルティ関連のドキュメンタリー映像をまとめました。

Documentary

The Golden Ring

The Golden Ring

モノクロ映像88分/ハイライト69分
DECCA 071-153-9
リージョン ALL

ショルティの代表作「ニーベルングの指輪」のメイキング映像。1965年BBCが制作したもので、「神々の黄昏」の録音風景を収録している。
また 5.1ch版のハイライツも音だけだが、69分収録されている。
当時ショルティはすでに50才を越えているが、凄まじく激しい指揮ぶりで、見ているこちらの方がはじき飛ばされそうな勢いである。
ウィーンフィルのメンバーから、「絞め殺してやりたい」なんてコメントが飛び出した、などといわれているが、ショルティの方が、ウィーンフィルを叩き殺しそうだ。
とはいえ、インタビューではウィーンフィルをほめちぎっているから、このころになると関係は改善されていたのかもしれない。

カルショウがロスマンズ喫ってる、さすがイギリス人、などとアホな見方もできるが、ショルティの指揮姿の映像としては、もっとも古いものだし、あまりにも確信的なインタビューの返答にも、はい、そうですね、と頷くしかない。
ワーグナーとファシズムの関係について訊かれても、「それは音楽とは関係ない。」と断言。
ショルティが目指したのは、無国籍でも存在し得る音楽だったのだろうか。

ショルティ・カルショウの他、ニルソン、フィッシャー・ディースカウなどのインタビューも収録されているのでオペラ・ファンの方には興味深いだろう。
なお、うちのサイトからリンクしてもらっている、「トロンボーン吹きによるクラシックの嗜好」の「ショルティの《ゴールデン・リング》(DVD)の秘密」によると、このディスク、英語版とドイツ語版と両方はいっており、音声だけでなく、中身も少し違っているらしい。
ドイツ語のできる方は確認してみてください。

The Making Maesrto

BLAVO Solti

Color 14分
残念ながら非売品。
2003年、DECCAの「New BEST100」が発売された際、DECCAの購入者特典とは別に、 新星堂で10枚買えばこのDVDをプレゼント、というキャンペーンをやったため、無理矢理10枚買って手に入れたもの。当時はDVDプレイヤーを持っていなかったのに。
が、さすがに、こういう企画のものだから、内容は14分という短さ。(「アンダルシアの犬」じゃないんだから)
「ブラヴォー・ショルティは1992年のショルティ誕生80周年を記念して作られたドキュメンタリー・タッチのプロモーション・ビデオです。伝説のリング収録風景、若き日のポートレート、などレアな映像が満載!」
と、裏ジャケットには書かれている。
92年のザルツブルグでの「魔笛」で、パパゲーノの横でグロッケンンシュピゲールを弾いていたり(昔とった杵柄!)、家族とテニスやトランプをしたりと、収録時間の割には楽しめる。BBCのフィルムのようだが(ナレーションはヴァレリーさん)「魔笛」なんてそのまま出して欲しいもんです。
それにしても、こういうショルティ・ファンだけのための企画をやってしまう新星堂は素晴らしい!
名指揮者の軌跡

名指揮者の軌跡Vol.3
ショルティの《タンホイザー》序曲/《ハンガリー行進曲》
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲
ベルリオーズ:ハンガリー行進曲

南ドイツ放送交響楽団(現シュトゥットガルト放送交響楽団)

タンホイザー行進曲 : 1966(リハ43分・本番15分)
ハンガリー行進曲 : 1967(リハ22分・本番5分)

パイオニアの「名指揮者の軌跡」シリーズVol.3。
曲目は、「タンホイザー序曲」と「ハンガリー行進曲」のリハーサルと本番、全87分。
曲自体が短いのと、国内盤は4,700円と高めだったので長らく買わなかったのだが廃盤になる前に、と買っておいたところ、2006年4月に廉価盤で出ることになった。わははは。
というわけで、まだ持ってない人はこれを待ちましょう。

日本語字幕監修とライナーノーツの解説は金子建志によるもので、自身もオケを振られる方だけに短くも適格な説明がありがたい。

さて、中身のほうだが、「タンホイザー序曲」が1966年、「ハンガリー行進曲」が1967年、つまりリングが完成した後、ショルティがノリにノっている時期である。
「The Golden Ring」と時期が近いため、あの溢れんばかりの情熱を体中から発散させているショルティを見ることができる。

このシリーズの他の指揮者のリハーサル映像を見ていないのではっきりとは言えないが、ショルティの指示は非常にわかりやすい。
「タンホイザー序曲」でチェロにレガートの指示を出すのに、「右手の弓は軽く、押さえつけずに、左手で弾くように」とか、リズムを確認させるために休符も音を出して演奏させてみたりと、高校時代しか楽器をやっていない僕でも、なるほど、と感心してしまった。
(文学的表現で指示をだして、分からない楽員をバカにしてれば、指揮者の虚栄心は満足するだろうが、実際に音を出すのは楽員のほうですからねえ。)

その一方で、「ここはタンホイザーの懺悔のシーンだから、理解して表現せねば」とか、なぜこのフレーズがこの楽器に割り当てられているか、ということは端的に説明するあたりは、名トレーナーと言われた理由が非常に良く分かる。

また、「ハンガリー行進曲」は、ショルティがよく演奏していた曲だが、この曲がハンガリー解放の曲である、とオケに説明するシーンを見ると、並々ならぬ思い入れをこの曲に抱いていることがうかがい知れる。
今度から僕も、この曲は心して聴くようにしよう。

それ以外にも、
「初めて真実が現れました。」
「一度体で覚えるとこれ以外は弾けなくなりますよ。」
「チェロは目覚めて花咲くように」
「低音が音楽に命を与えます。」
などなど、ショルティの名言満載の必携DVDである。

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